2019/07/28
「異常地震?」
2019年7月28日、3時31分に発生した中規模地震、関東から東北までの広い範囲で震度3から4を記録した地震に付いて、報道では「異常地震」としているものが多いが、その理由は震源が三重県沖にも拘わらず、揺れが関東、東北で発生した為そうした表現になっているものと思われる。
が、元々地震そのものが通常に対する異常と言えるし、こうした異常が日常茶飯事になっている日本の現状に鑑みるなら、不用意に「異常」と言う言葉が出てくる事に対し、一種の無知、稚拙さを感じてしまう。
震源の浅い地震、深さが50km以下の地震の場合、その震動は同心円、あの雨が降ってきた時に水滴が落ちて波紋が広がって行く形、のように広がって行くが、例えば360kmを超えるような深い震源地震の場合は、その真上が一番大きな揺れになる方が少ない。
原理は簡単で、丸いケーキを6つに切った時、中心付近はほぼ点になるが、ケーキの一番外側では距離が出るのと同じで、逆に切ったケーキの外側、ちょうど真ん中に振動が出る確率の方が少ない。
また岩盤や地殻の運動方向に拠って、震動は常に誤差を持って地表に伝わる。
すなわち震源が360kmを超えるような地震の場合、三重県が震源で関東や東北で中規模の地震は「普通」なのである。
ここ8年以内でも京都の下460km震源で北海道が震度4と言うケースも有ったが、そもそも日本の地震は震源の深い地震より、震源の浅い地震が圧倒的に多い。
この事から震源の深さが360km以上の地震は震源の浅い地震より相対的に発生頻度が少なく、そのほとんどは震源の真上が一番大きな揺れとはなっていない。
それで「異常」と言う言葉が使われると、民衆の不安感が煽られる結果となってしまう。
事実を正確に伝えるべき報道の情報ソースの浅さと、稚拙さが「異常」と言う表現から滲み出ている。
ちなみに震源が深い場合の余震傾向は、震源が浅い地震より直後の余震発生回数が少ない。
代わりに数年後に同規模の余震が発生する確率が有り、震源の深さが400kmともなると、4年後に余震が発生し、その規模は本震よりも大きい場合がある。
震源が深い地震は深さに拠る伝播距離が出るため、大規模地震となるパターンは少ないが、今までに記録は無いものの、プレートの端の崩落、或いはマントル流の部分変動の場合、日本の半分が震度5以上の震動を受ける可能性が完全否定できない。
更に震源の深さが200km前後の地震の場合、その余震は本震よりも大きくなる傾向に有り、余震発生は本震の後2年後と言うケースが多くなる。
この事から震源の深さと余震発生時期には、一定の関係式が疑われ、震源の浅い地震の破壊波の伝播は、地表に住む生物に取って平面の同心円上の伝播と考えて差し支えないが、震源の深い地震の場合は球体状の伝播形を基本として、これが歪んでいるか、球が欠損した状態のモデルを想定する必要がある。
結果として多くの壁面に破壊波がぶつかった状態となる為、地震波は時間経過と共に細かくなる。
震源の深さが浅い地震の場合はこの逆で、平面状を震動が伝わるので、こちらは地震波の伝播形式は時間経過と共に長くなる。
本震が終わって数時間後に超高層ビルがゆっくり揺れるのは震源の浅い地震であり、この場合例えば60階建てのビルでは揺れ幅が1mを超えるケースも出てくるが、震源の深さが400kmを超える地震の場合は本震以後、細かい揺れを観測するケースが多い。
最後に木造建築物が一番破損しやすい地震の破壊波速度は、1秒から1・9秒の揺れであり、大きな地震で地域ごとに被害に差が出るのは、こうした破壊波の速度に拠っても差が出ている可能性が有る。
震度6強でも破壊波速度1・5秒の地域は倒壊などの被害が大きくなり、逆に1秒以下だと地震の規模は大きくても、倒壊家屋は少なくなる可能性がある。
氷室京介、カッコいいな・・・(笑)