2020/02/28
「パンデミック」
「毒を以て毒を制する」
古来から存在する諺だが、薬の基礎原理で有り、また「ワクチン」の原理である。
ワクチンはそれまで人体で形成されていない病原菌、ウィルスの抗体を形成させる為、毒性を弱めた病原菌、ウィルスを接種し、これに拠って体内に抗体を形成させ、病原菌、ウィルスに対する抵抗力を獲得する予防治療法だが、これ以外にも病原体から生成された抗体のみを接種して短期、限定された抗体組織を形成させる方法が有る。
毒性を弱体化させた病原体を接種する方法を「生ワクチン」、生成抗体を接種する方法を「不活化ワクチン」と定義しているが例を取れば、初期の天然痘ワクチンなどは「生ワクチン」であり、現在多くの国家で使われているインフルエンザワクチンなどは「不活化ワクチン」に分類される。
「生ワクチン」の効用性は病原体そのものを接種して抗体を形成させる為、効力は抜群で1度体内に抗体が記録されると、次からその病原に対して確実に抵抗力を発揮する点にある。
ただし、弱体化されたとは言え、病原体だから接種される被検体の体調如何に拠っては、病原体の症状にを発症してしまう可能性は0ではない。
分かり易く言えば副作用の可能性が有ると言う事だ。
これに対して「不活化ワクチン」は病原体から抗体を形成させ、抗体のみを接種するため、完全に体内抗体が記録されない。
ワクチンの効果は短期間であり、しかも抗体そのものは持続性が無い、その半面病原体の症状を発症する副作用が無い。
高齢者や乳幼児など体力のない被検体に適していて、現在世界中でワクチンと呼ばれるものの多くは、副作用に対する安全上の観点から、「不活化ワクチン」となっている。
これがワクチンをめぐる被検体生物と病原体のミクロ的な関係だが、同様の原理はマクロ、人類や生物種と言うスケールでも存在し、それを「免疫力」と定義する事もできる。
抗体は病原体が無ければ形成されず、人類は長い年月、多くの命を犠牲にして免疫力を獲得して来た経緯がある。
こうした免疫力、抗体の基礎抵抗力向上に寄与した側面を持つのが、感染発症後の症状が比較的軽い病原体の存在であり、こうした病原菌やウィルスに感染し、自然抗体を獲得してきた生物は、これらの複合抗体に拠って、基礎抵抗力、抗体の底上げを経験してきたのである。
この意味では病原体感染こそが、その感染症を制する自然抗体形成に繋がる側面を持っていて、近年の先進国と呼ばれる国家群の思想は、病原体に感染しない事を正しい道と考えてきた経緯が存在するが、これは将来人類が得られるべき抗体も阻止したと言えるのである。
為に現存する地球人類の抗体、免疫力は非常に脆弱化しているのであり、この上感染発症しても死亡、後遺症障害までに発展しない病原体まで阻止しようとすれば、将来得るべき免疫力を放棄しているに等しく、人類と言うスケールの時間経過で、生物と言う観点からの視点も考慮する必要が有る。
コロナウィルスは比較的大きなウィルスだが、これの完全阻止は不可能である。
空気中の水蒸気を完全防御するようなものであり、これを国境封鎖や地域封鎖で阻止する考え方が既にナンセンスだ。
症状は程度の軽い風邪ぐらいのものなら感染して抗体を獲得する方が解決は早くなる。
また生物学的な見地からすると、弱体化した者は死滅が必定であり、程度の軽い感染症で死亡する場合は、未来が今に来ただけと言う現実的部分が存在し、これに拍車をかけているのが地域封鎖である。
感染症ウィルスの場合、限定された地域で閉じ込めようとすると、その地域内のウィルス濃度が上昇する。
この事は感染力や毒性を弱める効果も見込めるが、反面近親相姦に近いまずいウィルス変化も増長させ、とんでもないウィルスを発生させる可能性が有る。
また地域封鎖に拠って流通や一般社会生活が滞り、非常事態になった場合、必要とされる食料や水の確保が困難になり、その地域は一時的に最貧国地域並みの状態になる。
この事がその地域全体の人間の基礎体力を低下させ、感染後の抵抗力は著しく低下して行く結果、その地域の感染後死亡率は破格に大きくなる。
最終的な統計が出るのは数年後かも知れないが、個人的な見解として、コロナウィルスの感染後死亡率は1%に達していない。
どの国家も正確な感染者の数を把握できておらず、地域封鎖に拠って集中した感染後死亡率を見ていると、死亡率は高く見えるだけである。
1つの国で感染後死亡率0・64%でも、これが封鎖された地域では、全体の感染後死亡率が集中する事になり、見た目に死亡率は20%を超えて見えてしまい、その事が全体の死亡率20%なのではないかと言う恐れを生じせしめる。
免疫力の基礎要因にはマインドも大きく関係する。
感染してしまった、隔離された、外に出られない、そう言った現実もまた免疫力低下に繋がる。
若い頃、パンデミックとは感染症そのものの恐ろしさだと考えていたが、今般世界中で吹き荒れるコロナウィルス騒ぎの本質を見れば、それはただ人のパニックだった事を知る事が出来た。
必要以上に恐れおののき、社会生活を停滞させ、人を疑心暗鬼にさせる。
その中を慌てふためいて川に飛び込み、おぼれ死んでいるようにしか見えない。
コロナウィルスの完全阻止は抗体形成の方が遥かに早い。
ウィルスと隔絶された世界が形成されると言う概念は、予め不可能な思想でしかない。
共存しながら、自分が力を落さないように暮らすのが現実的処方箋である。
コロナウィルス程度のものまで恐れて、国際社会の経済活動が制限され、株価が下落し、通貨価値が上下するなど、話にならない。
この程度のものは通常営業が妥当な範囲のものであると、私は思う。