さて同表題「抄」では今般のコロナウィルス騒動が歴史的、世界的にどう言う位置を占め、どのような意味を持っているかを解説したが、同表題「正」ではマクロ経済から、コロナウィルス騒動の展開を予測してみたいと思う。
ただし「正」と言う漢字の元は「正解」と言う意味ではなく、他に方法が無いと言う意味であることを認識して頂ければと思う。
まず中国でコロナウィルス感染が始まったのは昨年の10月後半、そしてどうにか終息と言う方向が見えてきたのは今年の3月17日前後だから、日本のウィルス感染が始まった時期を今年の1月とすると、始まりから峠越えまで5か月を要すると考えるなら、日本でウィルス騒動が峠を越えるのは5月になる。
しかしこの段階ではまだヨーロッパやアメリカは峠越には至っていない。
世界的に動きは止まった状態が続き、株価は14000円まで下落する可能性が有り、日銀はこの間株価を支える為に年金財源を使って行くが暴落は止められない。
日本国内で消費活動が回復し始めるのは6月からで、しかもインバウンド需要はこの段階では回復せず、国内需要も通常の40%くらいまでの回復になる。
アメリカとヨーロッパは多くの貧困を抱える為、ウィルス感染後の死亡率はアジア諸国より高くなり、この事がウィルスに対する恐怖心を煽り、アメリカ、ヨーロッパの経済が回復するまでには1年間が必要になる。
可能性としては1年経っても元には戻らない。
ダメージを受けた部分との相乗効果に拠って、マインドは極めて低く抑制され、この期間は日本のインバウンド需要と輸出は抑制される。
また現在の気象的推移は5月、6月の水不足に関して警戒を要する傾向が始まっていて、こうした気象条件に付きものなのが、7月後半の大雨に拠る洪水と台風の大型化、それに上陸軌道が太平洋側に偏る傾向を持ち、この上に統計的可能性として今年8月までに1回、9月から年末までにもう1回、震度6以上の地震発生の確率が在る。
特に今年年末付近に発生する地震は震度6強クラスの可能性が有る。
日本はウィルス騒動に拠る大幅な景気後退と、気象災害、地震災害に警戒しなければならず、ここから考えられる事はオリンピックの中止、若しくは延期はまず避けられない事になり、当然今までオリンピックに投じられた資本は回収が付かない。
またこうしたインバウンド需要を見込んで発生した事業は早期の撤退を実行する事で被害を少なくする事を考えなければならず、この段階では消費税を0%にしても需要は戻らない。
むしろ事務手続きの変更費用が掛かり、効果よりも損失が大きくなる。
政府はあらゆる業態に対して支援を約束したが、日本の企業の90%を占める零細企業、個人事業などには政府の支援は届かない。
リーマンショックの時も政府の特別融資が実行されたが、例えば個人事業主が商工会議所へ融資を申し込めば、銀行の信用保証を付けてくれと言われ、銀行へ行けば今度は商工会議所の紹介を持ってきてくれと言われ、結局たらい回しになった上に融資が受けられない状態が殆どになる。
もはや日本の商工会議所など50年前の機能を果たしてはいない。
何の役にも立たないので、もし真剣に融資を望むなら直接政府系金融機関、「日本政策金融公庫」へ出向いて融資を依頼した方が、僅かではあるが融資を受けられる可能性が高くなる。
日本政府は年金資本を減少させ、年金の支払実績は低下して行く。
このまま無尽蔵に株価を支えようとすれば、最大で年金支給額が36・13%減少する可能性が有る。
加えて災害復興に関する費用が必要になり、経済の沈降は継続するので、金融緩和に拠る経済政策は破綻する。
インバウンド需要を見込んでいる業態の事業者は今年9月まで持ちこたえられる体力が在るなら継続も可能だが、そこまで持たないと判断された場合は早期に事業を停止し、支出を抑制することで被害額を抑制する方策以外に道はない。
ただし体力のある場合でも9月から急激に業態が回復するわけではないので、それから以降も苦しい経営が続くことを覚悟しておかねばならない。
飲食店関係、第三次産業、サービス業の業態もほぼインバウンド需要と同じであり、ここでは事業を休止し、需要が戻ったら事業を再開するくらいの機転が必要になり、年金受給者は生活の質を倹約型にして行かないと、従来通りの年金額受給は難しい。
実質金融緩和政策は無効力化する為、株価は基礎体力レベルまで下がった後、低迷し安定する。
日本の場合は14000円が妥当なところであり、厳しい見方をするなら9000円台も有り得るかも知れない。
このような場合の経済政策は減税ではなく、ウィルス騒動が落ち着いた頃に実行される「ばら撒き」である。
すなわち5月か6月に国民1人当たり5万円~10万円の支給を行い、一時的にバブルを作り、その勢いで9月まで持ち込めば実質経済動向はプラスにならないまでも、マイナス幅を抑制する効果を生む。
災害の復興は首都や政令指定都市以外は行わない。
一時的に被災地を放棄し、近隣の空き家などを利用して被災者の生活の安定を図る。
この場合土地に対する拘りなど、情緒的な考え方は放棄しなければならないが、これに拠って災害復興費用は大幅に抑制される。
民衆の立場としては、仕事が在ったらえり好みせず仕事をし、それも難しい場合は支出を抑制して、景気が落ち着く9月まで辛抱するしかない。
日本が豊かだっだのはもはや過去の事で有り、これからは消費型経済を維持する事は難しい。
最後に一言、ウィルス拡散のモジュールはインターネット情報の拡散形態、スケールフリーネットワークのモデル図形を参考にすると分かり易いかも知れない。