2018/06/27
「耐性の逐次崩壊」
大きな地震は来るかも知れない、では無く間違いなく来る事は決まっている。プレート境界の褶曲(しゅうきょく)に拠って形成された日本国土で地震が無かった時期など一時も存在しない。
毎日「いつか大きな地震が来る」と騒ぐ事は全く意味が無く虚しい事であり、それは予め来る事が確定している。
いつか来るは、今この瞬間から始まっていると言う事を意味する。
東日本大震災以前の日本の地震は有る程度の力学的秩序を持っていた。
それゆえ周期予測や傾向を知ることが出来たが、同地震の発生に拠って、少なくともここ1000年ほどは見られていた地震の発生傾向は変化してしまった。
従ってこれまでの周期予測は役に立たない。
東日本大地震はこれまでの秩序を壊したのだが、これは逆から見れば、これから暫く先の新しい秩序を形成しつつ有ると言う事で、我々は東日本大地震以降から現在までに発生している地震を基本に、そこから新しい傾向を探って行かねば、危機から身を守る事は出来ない。
ただ、地殻と言う長いスケールを持つ力学的傾向を、たかだか十数年の傾向だけで見ていくことは難しく、現在解っている事は極めて少ない。
が、ここでは2点の指摘をしておきたい。
その1点は従来の周期予測や断層に加わる圧力傾向は既に集合としての形を失っている事であり、以前の傾向や地層力学的理論はもう使えない。
解り易く言うなら、これまでは似たような部族が乱立する社会だったところに、強大な軍事力を持った帝国が侵攻して来たようなもので、ここではそれまで部族間に存在した力関係は全て影響力を失う様に近い。
日本列島はこれまでも常にプレートの圧力を受けてきていたが、東日本大地震以降はその圧力の角度が三次元的に変化し、角度がこれまでより異なってきている可能性が高い。
今までより圧倒的に強い力が加わってきている為、従来のように特定の地域で地震が発生すると、付近の影響を受けた断層が動くと言うような形は成立しない傾向に変化している。
全体を一つとする力の加わり方をしていて、この場合は地震が発生した地域付近の断層が次に危険な断層とは限らなくなる。
次に総合的に脆弱な断層、地盤はどこに存在するかを人間は予測できない為、次の地震は日本列島のあらゆる地域が対称となる。
今日は九州、明日は北海道、翌日は関東、次の日は山陰や東北と言う具合に震源は散逸する。
また2点目の指摘として、こうした力と圧力のモジュールでは、発生した地震に拠ってエネルギーが解放される可能性が低くなる事が考えられ、どちらかと言うと耐性の逐次崩壊現象となる可能性の方が高い。
圧倒的に大きな圧力に対して耐えている形なのであり、次々これらが耐性を失って崩壊し、やがて大部分の脆弱断層が崩壊した後、暫く地震は少なくなる。
が、その第一段階の脆弱だった部分が全て崩壊すると、それよりは強度の有った地盤が今度は崩壊し始め、この時発生する地震は第一段階の破壊より必ず大きな力が働く。
つまり地震は段階を追うごとに巨大化する可能性が高く、この場合は日本の研究機関が次に発生を予測している南海トラフと言う地域の確率は、日本全土で発生する確率と同じになってしまう。
結果から言うと日本の研究機関と行政が出しているハザードマップなど何の役にも立たない。
現在日本各地で発生している地震の多くは震度1であり、転々と震源が移動している地震は震度4から5の中規模地震が主流になっている事から、これらを第一段階とすると、次の段階には震度5から6の地震が各地に発生してくる事になり、それが終わると震度6から7の地震が、数は減少しても発生し易くなる可能性が出てくる。
しかもどこに来るかは予想も付かない。
更にここからは迷信の領域だが、こうして一定の地域に大きな災害が発生して来ると、同時に政治的混乱、経済的混乱、他の災害との重複現象が発生するとされていて、これは多くの国家の歴史書、記録にも残っている。
日本はオリンピックを境界として、まず間違い無く死に体となったアベノミクスの崩壊に拠って経済的混乱を向かえ、同時に小さな嘘が積み重なって発生して来る政治の混乱、それに巨大化した地震が加わってくる可能性がある。
それがオリンピックまで何とか持てば良いが、或いはオリンピックの前に重なった時どうするか、その対策は今の内から考えて措かないと大変な事になるだろう。
大きな災害とは長期的な視点、国家的な視点、何が本質なのかの視点を持てば、その禍を次の利に繋げることが出来る。
しかし目先の利、自分の事しか考えなければ大きな災害の上に更に人災が加算されて拡大し、取り返しの付かない惨状を招いてしまう・・・。
- 関連記事
-
- 「山形県沖地震に関して」 (2019/06/19)
- 「銭洲」(ぜにす) (2018/08/04)
- 「耐性の逐次崩壊」 (2018/06/27)
- 「大阪北部震源地震に関して」 (2018/06/19)
- 「空気振動観測情報」 (2018/02/27)
スポンサーサイト
コメント