2022/11/04
「自動再生音の電話」
これもこの時代で現実に起こっている事ゆえ、余り気乗りはしないが記録しておかねばならない事なのだろう・・・。最近仕事場の固定電話にかかってくる電話にはろくなものがないが、中でも一番カチンと来るのが、仕事の手を止めて焦って受話器を取ると、クールな録音の音声が流れるケースだ。
新聞社の世論調査、選挙の時の候補者の投票依頼、物販に保険、結構な数の録音音声の電話がかかってくる。
こうした時代だから仕方ないのかも知れないが、人にものを頼む姿勢としては少なからずの疑問を感じる。
録音された音声電話に付き合っていられるのは暇な人か、年金暮らしの高齢者くらいのもので、仕事中の人は「この馬と鹿が・・・」と呟き、電話は切られるだろう。
だとしたら、新聞社が発表している世論動向とは、正確には暇な人の意識と言う事になる。
世論調査が何となく一般社会意識とは乖離して行く原因の一つが、この辺にあるような気もするし、大体一方が録音の音声で、こちらがそれに真剣に答える気はしない。
そもそも無礼と言うものだし、少なくとも調査する担当者本人がきちんと電話するのが正しい在り様と言うものだろう。
コスト削減も悪くないが、その結果も削減されたコストに見合ったものでしかないと思う。
さらにこれが選挙時の投票依頼だったケースでは、「私ならこんな奴に絶対投票などするものか・・・」と思う。
人にものを頼む姿勢ではないし、その昔、田名角栄の奥さんなどは吹雪の中、山奥の一軒家まで足を運び、「主人を宜しくお願いします」と頼んで回ったのだから、それに比べれば、その1票の重みには比すもおこがましいものが有る。
候補者がこちらに投票を頼む時ですら録音の音声な訳だから、何か問題が在って議題を提起して貰いたい時では尚更、クールな録音が聞こえてきて、終わりになる可能性が高いと思わねばならない。
人を小ばかにした態度では、支持よりも反感の方が増大すると思う。
そしてこれが物販や保険の勧誘だった時は、既に喧嘩を売っているレベルと言え、初期勧誘ですら録音の音声なのだから、何か不都合が有った時などは尚更、冷たい録音音声によって対応されるかも知れない。
景気が悪くてものが売れない時代だから、色々コストを削減するのも悪くないが、「心」まで削減されたのではどうしようもない。
こうした時代だからこそ、手間をかけても人の気持ちを慮った(おもんばかった)姿勢と言うものが他者、或いは他社の上を行くクォリティとなるのではないか・・・。
[本文は2022年4月12日、アメブロに掲載した記事を再掲載しています]
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